引っ張りもの
私は平凡な女学生で、
まぁ、日々淡々とした生活をしていたのだけれども
普通な高校生ライフだったのに!!!
「さん」
「おっ。セナ君、タオルをあげよう」
「、俺のも」
「ほい、ムサシ」
「…偉そうだな」
「…十文字にはやらない。干乾びて死になさい」
「ひでっ」
「ふ〜ん」
先だってマネージャーなるものになりました。
ムサシ(幼馴染)が「暇ならやれ」というお優しい言葉を下さって
まもりちゃん(憧れの美人)が「もしよかったら!!!」とありがたい言葉を言ってくれたけれども
(断れるわけがない!!!)
話が違う。
「おい、糞マネ」
「あっ小結君、ユニフォーム破れてるよ!!!」
「ふごぉっ」
「持っておいで〜。繕ってあげる。」
「おいっ」
「ちょっ十文字!!!あんたにやるタオルは無いよ」
「てめっ」
「糞っ!!!」
一瞬、心臓が止まったよ。
絶対止まった。
絶対に!!!
油の切れた機械よろしく彼の方へ振り返ったらば、
怒ってらっしゃる?
いやいや、糞マネはまもりちゃんじゃないの?
私か?
私のことか???
すごくきょとんっとした顔をしていたらしく
深い深いため息をお吐きになって
タオルと一言おっしゃる。
ええ、タオルですか。
そうですか。
「はっはい!!!」
「…」
「はい、タオルと水分。」
「…おぅ」
怖い
怖いよ、おい。
ムサシの馬鹿野郎。
「」
「馬鹿ムサシ」
「…歩いて買いだし行くんだな」
「嘘です、神様仏様ムサシ様」
「…ふぅ」
「ため息つかないでよ!!!」
何故かマネになって
翌日に二泊三日の合宿で
まもりちゃんはお仕事いっぱいだから
私が食事担当。
初飯です。
(凄く作らないと!!!)
「じゃあ、いってきます。」
「鈴音もひろってくる」
「まもりちゃん、あとよろしくお願いします。」
「はい。気をつけてね。」
ぱたんと戸を閉めた途端
ずるずるっと座席にもたれかかる。
「どうした?」
「なんか、嵌められた」
「そうか」
「合宿は聞いてない。」
「言ってないからな」
「厳!」
「ヒル魔もいるから?」
「が!いるから。」
きっと私は顔が真っ赤だ。
私の恋心
知っているのはこいつだけだから。
「まぁ、頑張れ」
「…絶対食事に毒入れてやる。」
「その前にお前に食わしてやる。」
「ムサシの馬鹿!!!」
私は振り返って彼方を影を静かに見つめる 01
「いただきます」
「はい、おあがりなさい」
「うっきゃぁぁぁぁ。旨さMAX」
「あはは。ありがとう!」
「…」
「何、ムサシ。」
「口開けろ」
「?」
「毒…はいてねぇな」
「ひでっ!!!」
みんなの中で
あははと笑う
のに
彼方を見れない
私は
きっと…