引っ張りもの
…有りえない。




















「マジですか?」











お風呂入ろうと思って

そのついでに洗濯物を配っていたら

最後の最後にヒル魔君の部屋
(だって風呂場の近くだもん)









ノックと共に用件を伝えると
「おう」とあいも変わらず素っ気無い返事
(うわっ濡れ髪だ!!!)



で…
まもりちゃん!!!???!?!?





「なんだ?」
「洗濯物です」
「…」
「じゃあ」
ちゃんお風呂?」
「うん。出たら言おうか?」
「お願いします」
「じゃあ、ヒル魔君おやすみ。」






ぱたりと閉めた瞬間




背中に一筋の汗が流れる。














ばゃしゃりと入ったお湯が
全然暖かくない。








それより。




そんなことより。


こんな時間に
二人っきり…



しかも
とっても仲良さ気だし。












「そんな関係なのかなぁ?」











勝ち目無いじゃん
生き地獄じゃん


















ムサシめ!!!






奴め、知っていただろうに!!!













「この恨み」


















と思った瞬間


なんか悲しくなっちゃった。
















凄く凄く悲しくなっちゃって





もうお風呂から出て



明日の朝食の仕込みしようと思って立ち上がった瞬間


























「あらら?」















がちゃっん!!!



とド派手な音がして



それから


私の意識は






飛んでしまった。



































「ちょっ!!!」
「どうした?」


家に電話を入れた帰り、
女子浴場が微妙に騒がしいので立ち寄ってみる。。






「ムサシ君!!!」
姉が!!!」













倒れたと聴いた瞬間



女子浴場なんてことを完全に忘れて
飛び込んだ。














「…げ…ん?」
「大丈夫か?」
「ちょっ…む……り」
「姉崎、タオルあるか?」
「あっはい」













とりあえず裸は不味い
(こんなのでもこいつは女だ)




俗に言うお姫様抱っこをして
その上にタオルを掛けて






「どこか涼しい部屋は?」
「そのまま寝室に運ぶ?」
「そうするか」
「…ごめ…」
姉大丈夫?」









「なんだ?」

















奴が部屋から出てきた瞬間

裸のを抱きかかえている俺
その横でわたわたする姉崎と鈴音。












「…」
ちゃんが倒れて」
「糞マネが?」
「ちょっと寝室まで運んでくるわ」
「おぅ」
「う…ん」
「大丈夫か?」
「厳…ごめ…」
「心配するな。直ぐつく」
「…」















私は振り返って彼方を影を静かに見つめる 02














が厳と呼んだ瞬間
悲痛そうな顔をした理由を知っているのは








多分、俺だけで