全てが焼けていた。


私は他のものとは違うルートでここにたどり着く。
(もう、お前の帰る場所はない)





死臭がする。
それはこの大地からではなく間違いなく私の体から
何百何千の血の匂いが染みつく。












「ふふふ」
自然と笑いがこぼれる。私はもうこの世のものではないかもしれない。第六天魔王と同類なの だ。私は結局。


後は一人。本人だけ





「生きてきたことを後悔させてやりましょうぞ」








馬の腹を蹴る。火の中には行きたがらない。当たり前だ。
では















「参ろうか」






















炎が上がる。
敵はこいつだけなのに禍々しい気配を感じるのは何故だ?
それもただ禍々しいのではない









「幸村」
「ひっ姫!!??」
「そこを退け」
?」







誰だこいつ
うっすら笑みを浮かべているが全く知らない人間のようだ
So crazy。奴とおんなじ顔をしてやがる。
なんだあいつ。







『忍びを放ったら戦況は芳しくないっていうし。父上様も幸村も…みんな無事てよかった』
あの時涙を流した女か?
『ありがとう』
あの時はにかんだ笑みを浮かべた女か?








「だっだめでござる。姫こそ」
「お前が光秀か」
「うふふふ。あなた、良い顔してますねぇ」
「お前に褒められてもうれしくない。でも土産がある。」










床に転がされたもの







「これは?」
「あんた。一番やっちゃいけない事をした」
「おい…まさか Hey!
「あんたに帰る場所なんてないよ」









うふふと笑うその先はごろりといくつもの髷が転がる。









「はは。うふふ。素晴らしいです。我が身内を殺してきましたね」
「さぁ?」










にこりと笑うのは間違いなくあいつだ
でも







『私が私でなくなったなら』







っ」
「ここでお前を殺したらすべて終わる。どけ幸村。」
様っ。」








04.赤き魔女




















「おい」
様」
「ゆけ。魔王は安土城だ」
っ」
「極楽浄土へ行けると思うなよ。地獄の烈火に焼かれろ」







の腕が赤く染まる。
武田の炎を身に纏う












「死ね」
「ひっひひひひ」
様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」













強い
本当に強い。
それ以上に手を出せる状態ではない。

間違いなく武田のおっさんの娘だ。
終始あの野郎を押しているのに
押し続けているのに









(なんでだよ)







「なんで」
様」




そんなに辛そうなんだよ








「痛いですね」
「そのまま業火に焼かれるか?わが炎に焼かれるか?どっぢがいい?」
「ああいい顔だ。」
「死ね」


と手に力を込めた瞬間矢が雨のように降り注ぐ


「光秀っ」
「子供?」









矢を片手で叩き落としてから
目を見開いたままはガキを見る。


(それは本当に辛そうで)





「子供がどうして」
「蘭丸」
「向こうへ行け」
「光秀を放せ。」






矢をはたき落とした瞬間















「ぐっ…」
「急に気を抜きすぎですよ」
「がはっ」
様」
「来るなよ幸村」

「伊達殿」

















約束は守って下さいよと笑った。










その姿は間違いなく







っっっっっっっっっ」










あの時のだった。