命とは何だろう

生とは何だろう

殺戮とは何だろう





そんなことをずっと考えてきた
私はとてもバカだったんだと思う







力ですべてが解決しないとわかっていたのに力ですべてを解決していた。







その底なし地獄から救ってくれたのが子らだった。
(私は彼らに救ってもらい続けていた)





だからだと思う




(そしてその先には)



「ぐっ…ふ」
「どうしてだよ」
「ふふふ。あなたも結局女でしたね」
様っ」












蘭丸という子供ともども切られそうになった。
避けられたけど避けられなかった。






(だって私を助けてくれたのはあなたたちだったから)






「どう…してかな」
「死して後悔なさい」






そういって振り下ろされる鎌。
私は死ぬなとでもこの子だけは助けたいなと思った瞬間





私は青を見た。




















「Hey. Crazywoman。死に急ぐんじゃねよ」
「はぁぁぁっ。」
「うふっふふふ。独眼竜に若き虎。またお相手してあげます」
「伊達…殿?」
「So crazy。馬鹿だろ。お前」
「やっぱり私は私だわ」
「話している間はありませんよ」
「お前の相手は某だ」
「ほらお逃げ。このお兄さんは私みたいに馬鹿じゃないよ」
「う…」






美しい日々
美しい声
全てが走馬灯のように駆けて行ったのに





「おいっ起きやがれ」
「独眼竜?」
「てめぇはてめぇだろ。強いのか弱いのかわかんねぇ、変わりもんの姫だろ」
「ふふふ。」
「伊達…殿」
「あ?」
「ありがとう」












ありがとう
ありがとう









あなたがいたから我に帰れたのかもしれない

復讐の業火に焼かれ続けた私を救ってくれたのはあなただった。










「私はもういいから行って」
「馬鹿云うな」
「早くいかないと、意味がなくなる。」
「?」
「助けて我が万民を」
「嫌だね。お前がやりやがれ」
「意地悪。でも良いや、約束」
「Ah?」
「ありがとう守ってくれた」













血が流れすぎた。
このまますぐに手当てをすれば助かるけれどもそれでは遅い。
佐助が手を尽くしてくれた。
皆が命をかけてくれた。

素晴らしい人々だ。私情に駆られた私とは違う







力とは何だろう
全てを殲滅することだけが正しくない
殲滅しなくてはいけない時もあるけれどもそうでもない時の方が多い





私のように無駄に力あるのはどうしてだろう


普通の女として生きてこれれば幸せだったかもしれない





でも







「私は見捨てるなんて行ってない。殺してともいっていないわ。私は行って欲しいだけなの」
「嫌だ。」
「伊達殿」
「なんだ」
「政宗様…」










あなたに会えなかっただろうな


敵のくせに妙にやさしくて
良く分からない奴のくせに




その眼光はどこまでも優しく寂しそうなのだ







「好き」
「あぁ?」
「あなたが好き…だったんだね。だから」
「おい」
「あなたの前で泣けたんだ」







死ぬなというあなた

やっと分かりました。姉様たちがいっていたこの気持。
馬鹿だね、私今頃気がついても仕方がないじゃない



でも好きな男の腕の中で死ねたからいいのかも




私は幸せだった







っおい」
「…」
「おい、起きやがれ」





























05.あなたの右目にキスをする











様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
という叫びと体のきしみ(激痛)で目が覚める。
幸村が力任せに抱きしめてきやがったらしい。



痛い。といって背中をぼこぼこ叩くのだがこの馬鹿力は一向に緩みはしない。




「痛いよ」
様。よかった」
「痛いって、殺す気か」
「あてててて。よかったでござる。親方様もお喜びになりまする。」
「私は」





と言った瞬間ぽかりと頭を叩かれて驚く。



目の前には馬鹿の赤から青に変わる。






「hey.気分はどうだ?」
「体が軋んで痛い。このバカ力のけて」
「自業自得だな。」
「真田の旦那は一晩中看病してたんですぜ」
「そう。ごめんね。心配掛けて」
「某だけではござらん。みな様を心配して…伊達殿も…いたっ」
「Shut up!」
「政宗様」
「独眼竜」
「おい、。」
「んー…」
「もうお前は戦場に出るな」
「んー…」
「俺のそばに居ろ」






















は?



素っ頓狂な声が上がる。
幸村に至っては破廉恥でござると叫んでいる。
(お前が一番破廉恥だ)
私はじっと独眼竜の目を見る。








「無理よ。私は」
「嫁の貰い手ならおれが貰ってやる。」
「は?」
「政宗様っ」
「来るか」
















ちょっと待って。
私はあなたの敵勢力の姫で
もしかしててもしなくてもそのうち戦うだろうし
私は








私は












と思った瞬間
あなたの目の下のクマと少し腫れた瞼が見える。










「泣いた?」
「は?」
「ごめんね、泣かないで」
「…」
「私は」
「もう心配させるな」











手を動かしてみる。
少し痛いけど頑張ってあなたの頬を撫でてみる。







あなたは掌にキスを落とす。

「I love you. 








私の指はあなたの唇をなぞる。

そして
あなたの眼帯に手をやる。
(少しだけ体が揺れた)



「好き」







大好きといってあなたの右目にキスをした