「は…い?」
「大丈夫か?」






そう思うなら無体な事はやめてほしい。と思ったが
そんなに清々しい顔をされるとどうすればいいのか分からなくなる。
大丈夫ですと小さく言うとくくくと笑われる。
解っているのなら聞くなよ。腰も痛いけどあっちこっち痛い。
痛すぎる。





ごろりと体を政宗様の方へ向ける。



「Hn。なんだよ」
「なんでもないですけど」
「Ah…このまま朝になんなきゃいいのによ」
「それは無理です。というかもう朝です。」
「まだ暗いぞ」
「だって烏が」
「あー…鳴いてんな。山から下りてきたか」
「らしいですね。」




ふいに額が暖かくなる。
まただ。すべてを慈しむようなキスをくれる。




「フフフ」

「好きです」
「Ha.ずいぶん積極的だな」
「今しか言いませんから。好きです大好き」
「俺もだ」








手を眼帯にやる。
少し悲しそうな顔をして
でも拒否せず私の好きなようにさせてくれる。







ハラリと黒が落ちる。
と声がする。






瞳はなくて闇の穴がある。
穴だ。
ただ空っぽの穴。
周りには不自然な皮膚がある。







?」






それがなんだというのか

それがこの人をどれだけ貶めるというのか







?」





痛い?のと私は聞く。
真っ暗な闇からポロリポロリと水がこぼれる。













嗚呼馬鹿な人だ。










馬鹿馬鹿。大バカ者め



(こんな綺麗な涙は見たことない)



私は頬に舌を這わす。
涙を舐め上げそのまま闇にキスをする。
何度も何度もキスをしてそのまま抱きしめる。






寝たままだから体勢がしんどいけど気にしない。
手をあなたのたくましい腕に這わす。









「んー」
「どこで覚えた、こんなこと」
「いやいや。武田名物本能のなせる業じゃないかしら」
「…まぁ間違いなく俺が初めだったしな」




手と手を握る。
こんなにあたり前のことができなくて本当に苦しかったと私が云うと
守りたかったんだとあなたがいう。





「ありがとう」
「お前は俺のもんだ。you see?」
「I see.」
「それよりその眼帯つけてくれ」
「えー」
「不気味だろう」
「そんなことないよ」
「you are kidding いいから」
「嫌々」
。性格が変わってんぞ」
「初めて2人きりだもの少しは壊れてもいいでしょ」
「OK. OK.」











私は再びあなたの闇にキスをする。








「右目は…小十郎倒せば」
「NO!」
「っち。」
「舌打ちすんなよ」
「右目は無理だけど」
「Ah?」
「私は…」
「お前の前でしかこれとらねぇよ」
「!」
「だからいつまでもここで居ろ。横に居ろ。」
「うん」
「分かったか」
「そのつもりです」
「そうかよ」















…ん?













「あの」
「What?」
「何で私は下に?」
「Let's party」
「イヤイヤ」
「No problem」
「死にます。普通に」
「武田名物無限の体力とかあんだろ」
「あれは父上様と幸村だけです」
「あー…」
「?」
「Hey Kitty. you do too much into mischief.」
「は?」
「いたずらが過ぎるぜ」
「なにいっ…んぅ」
「Let's time for punishment」
「やぁ…ん」



















結局朝、それも執務始まるまで続けられて
私は立ち上がることすらできなくて









恨みを込めて眼帯をきつく締める。




(ouchっていっても許してあげない。)
(だって知っているもの)






「行ってくるぜ」
「私もあとから参ります」
「Yeah-HA無理しなくていいぜ」
「絶対行きます。」
「楽しみにしてるぜ奥方様」
「いってらっしゃいませ、お前様」












(I know it. You are very very happy!)














13.killing me softly with his Kiss!














取り合えずだ

「あっお帰りなさい」
「…」



私は日々強く生きている。
(というか図太く?)



「I'm home。 …何してやがる」
「見ればわかるでしょ?接待」
「よう。奥州の暴れん坊。」
「GO home! and go to hell.海賊」
「政宗様とりあえず兜を脱いで下さい」
「Ah?」
「取り合えず。お食事は?今日はお帰りになるっていったから私が作りましたよ」
「…喰う」
「小十郎も食べましょう。」
「は」
の酌で飲むとうめぇな」
「あらうまいわね。」
「で、今日は何の用だよ」







よくぞ聞いてくれましたと元親がもったいぶって桐箱を取り出す。
私はそれを見てとりあえず叫んだ。








「あーーーーっ」
前に欲しがってただろ」
「なんだそれ」
「源氏物語っ!!!」
「土産だ。やるよ」
「ありがとーっ!!!元親大好き」
「っち」
「へっ」
様は書物好きですな」
「うん。わーい。良いお酒出してあげる。」
「ありがとよ」











パタンと戸を閉めたあとその後の会話まで私は知らない。







「hey.何しに来た」
見にきた」
「Go out!」
「へっ。自分のもんだっつうくせに」
「っ」
のやつ。大好きだって」








でも地獄耳なのよね






「HA!夜の奴を」
「政宗様」
「…」
「…相も変わらずすげぇな。どこから飛んできたんだよこの短刀」
「御蔭で我が城内は平和です」
っ」
「はいはい。大好きですよ。政宗様」
「…」












嗚呼もう。と言いながら頬にキスをしてお帰りなさいと私は言う。











「あの伊達を操縦してる」
「何かしら元親」
「なんでもねぇ」
「さあ食べましょう」












…………まぁ取り合えずだ。



(I'm very very happy with my darling! You see?)
(HA! I'm very very happy with my Destiny! ALL right?)