書類を見たら
パートナーの欄にジャンと
サブパートナーの欄に優の名前があった。
取り合えずだ。
「逃げよう」
死に物狂いで私はアーカムビルを走り抜ける。
さぁ、もうココで出口。
私は自由だ。
ココを出て、私は自由になると
踏んだ自動ドアは全くの無反応。
美しいぐらい無反応。
ガンガンと叩いてみてもちっとも開いてはくれない。
「」
「ひっ」
「帰りますよ」
「朧!!!???」
「さあ早く」
「やー!!!助けて守衛さん!!!」
「ちゃん。それは無理だよ」
「守衛さんの馬鹿!!!」
そういって
私は朧に横抱きされて山本さんのところまで連れて行かれる。
「ッ!!!」
「むー」
「いつも逃げて。守衛さんが困っているだろ」
「だって!!!」
「そんなに嫌なのですか?」
「…いやだ」
「私と彼を変えても良いんですが」
「朧とならっ!!!」
「でも年齢が合わんだろ」
「…確かに」
「じゃあ、優は?」
姉さん女房になりたいかといわれ
返事に窮した。
「ジャンと組むのは…」
「…。」
「朧。大体、お前も同時期に仕事があるんだぞ」
「っ」
「大体、成功率が高いんだ。経緯より結果論だな」
「朧ぅぅぅううう」
「。頑張りなさい。」
「うぅうう」
「修行です。修行」
「…(何でそんなに嫌なんだ?)」
「なんか、眩暈が」
「でも夫婦設定って言うのもいい加減やめるべきかもしれません」
「(?)」
「じゃあ、私は何処へ売られていくんですか?」
「売られるって…」
「イタリアです」
「わぁー…お」
「優も途中からって、」
取り合えずだ。
最悪な状態なのだからもうしょうがない。
「」
「ジャンと優のダブルコンボ」
「…頑張れ」
「うぅうううぅぅぅううううう」
そういって床に沈んで泣き続けていると
首の辺りをむんずと掴まれて
無理矢理起こされる。
(こんなことするのは…)
「よう」
「きゃぁぁぁぁ!!!」
「迎えに来たぜ」
「離せ!!!ケダモノ!!!!!!」
「ひでーな。恋人に向かって」
「誰が恋人か!だ・れ・が!!!!」
「じゃぁ、行ってくるわ」
「おー…」
「程ほどにしてくださいよ」
「朧っ!!!裏切り者」
(そういうことか?)
(そういうことです。)
沈む沈む夕日の果ては01
「さて、今回は」
「…」
「おっ夫婦設定☆」
「…」
「ターゲットがお隣さんだからな」
「っ」
ヘリの中
私は俎板の上の鯛よろしく
凄い悲愴げな顔をしていたら
隣のケダモノが嬉々として書類に目を通す。
「コウスイノニオイガスゴインデスケド」
「あー…昨日までオフだったからな」
「…シンデイタダケマセンカ」
「そいつは無理だなぁ」
そういってにやりと笑い
人の耳をぺろりと舐めてから
(ギャース)
今夜が楽しみだなと囁かれる。
(結局仕事になんないんだよっ!!!)
(いーじゃねーか。俺が働くからよ)
(シネッ!!!)
(ベッドの上で殺してやるよ)