「あーっ!!!」
「任務完了」
「優の馬鹿っ!!!」
「うぉっ!!!殺す気か」
「死ねば良いなぁと」
「お前!」


取りあえず仕事が終わったらしいことを告げて
優がにこやかに笑う。
仕事しにきた私は
何のために夫婦設定でこんな目にあっているのかわからなくて
取りあえず優に八つ当たりをする。

「任務終了で良いじゃないかっ!」
「私仕事してない」
「まーまー。観光でもしろよ」
「はぁ?」
「イタリア初めてだろう?」



じゃ、俺は帰るからっぽく立ち去ろうとしたので
とび蹴りを食らわす。(死んでしまえっ)


「みんなで行こう!」
「は?」
「俺は二人で良いぜ」
「じゃあ、私帰る」
「なんで野郎と二人で楽しんだよ」
「俺学校があるから」




そういって本気で立ち去ろうとするやつが憎い


がしりと肩を抱いて
「お願いだから」と頼んでみると
「いいよ」と真っ青な顔で答えてくれた。

やっぱり良いやつだ。




「でた、」
「ん?」
「一晩だけはジャンといろよ」
「は?」
「此れを提出して来るから」
「其の一晩で私が死んでも良いって言うの」
「ジャン」
「あー…」
「死なない程度にしろよ」
「善処する。」
「優っ!!!裏切り者!!!ぎゃー!!!私そっちのけで話を進めないでよ」

「っ!!!」




きっと私の顔は真っ赤だ。
凄く凄く真っ赤のはずだ。


「近い!近い!!!」
「御神苗」
「お?」
「ココのホテルで待ってるからなー」
「おー…」
「(サッサトイキヤガレ)」
「(すまない!)」







近づいてくる顔に逃げる為
ジャンの顔ばかり見ていたら

またまたいつの間にか優が逃げ去っていた。
(嘘でしょ!!??)



「今日は部屋別々だよね」
「なんで?」
「だって!任務でもなんでもないんだから」
「俺はな、



近い顔がもっと近づいてくる。
青い目に吸い込まれそうで
凄く怖くて



私は目をぎゅっと瞑った。




「ったく」
「へ?」
「御神苗にしてもお前にしても、こんな弱っちょろいやつがどうしてスプリガンになれたんだ かな」
「っ〜!!!」
「飯でもするか」
「…」

「三ツ星に行ってやる」
「自分で払えよ」
「…山本さんに言って経費で落とすもん」
「俺の分は?」
「知らない!」






そういうと肩に重みが掛かる。
(肩を抱くな肩をっ!!!)


「ドレスコードあんの知ってるのか?」
「知ってる。」
「ドレス」
「着るよ。ジャンも着なよ」
「おー」
「で」
「お?」







この明らかな殺気どうする?と聞いた瞬間


獣人が癖のある笑みを浮かべる。








沈む沈む夕日の果ては06








「で、何狙ってるのかな?」
「あ?神像じゃねーの」
「…ジャンの肉とか?」
の貞操とか?」
「…ジャン」
「そら行くぞ」




そういって笑う彼方が私は…
(この続きはまだ知りたくない!)